【はじめに】伝説の焚き火台「B-6君」とは?

ソロキャンパーの間で「名作」と謳われる焚き火台があります。
それは、有限会社昭和プレスが手がけるアウトドアブランド「笑’s(Sho’s)」の「B-6君」です。
名前の通り、収納時はB6サイズ(B5の半分)という驚きのコンパクトさを誇ります。
厚みはわずか18mmで、サコッシュやカーゴパンツのポケットにも収まるサイズ感です。
しかし、ただ小さいだけのギアではありません。
板金加工のプロが設計した緻密なギミックは、多くのキャンパーを魅了し続けています。
人気アニメ『ゆるキャン△』に登場したことで、その知名度は不動のものとなりました。
今回は、なぜこれほどまでに「B-6君」が愛されるのか、その理由を深掘りします。
【基本スペック】笑’s「B-6君」の詳細データ
まずは、B-6君の基本的な仕様を確認しましょう。
手のひらサイズでありながら、計算し尽くされた設計になっています。
| 項目 | 詳細スペック | 備考 |
| 製品名 | コンパクト焚き火グリル 『B-6君』 | Sho’sの代表作 |
| 展開サイズ | 幅215mm × 奥行122mm × 高さ165mm | ソロ利用に最適 |
| 収納サイズ | 幅181mm × 奥行122mm × 厚さ18mm | B6用紙と同等 |
| 重量 | 約500g | 本体のみの重量 |
| 耐荷重 | 10kg | ダッチオーブンも可 |
| 材質 | 0.6mm厚ステンレス・リベット | SUS304他 |
| 火床の深さ | 約70mm | 炭火調理もしやすい |
| 製造国 | 日本 | 昭和プレス(埼玉)製 |
スペック表から分かるとおり、収納時の薄さは特筆すべき点です。
重量は約500gと、超軽量チタン製品に比べれば多少の重みを感じます。
しかし、この重みこそが「安定感」と「耐久性」の証でもあります。
耐荷重が10kgあるため、小型のダッチオーブンやスキレットも安心して乗せられます。
【魅力1】ポケットに入る驚異の携帯性

B-6君最大の魅力は、やはりその携帯性にあります。
ソロキャンプ、特に徒歩やバイクでの移動において、荷物の削減は至上命題です。
B-6君であれば、パッキングの隙間にスッと滑り込ませることができます。
バックパックの雨蓋や、サイドポケットにも余裕で収納可能です。
| 移動手段 | 携帯性のメリット | おすすめの収納場所 |
| 徒歩キャンプ | ザックの容量を圧迫しない | 背面ポケット、サコッシュ |
| ツーリング | バイクの積載量を気にせず持参可能 | サイドバッグ、タンクバッグ |
| 自転車 | 1gでも軽くしたい軽量装備に最適 | フレームバッグ、パニア |
| 登山泊 | 予備の熱源としても携行しやすい | ザックの雨蓋、スタッフサック |
「焚き火台を持っていくかどうか迷う」というシーンでも、B-6君なら迷わず持っていけます。
現地で焚き火をしなくても、持って行ったことを後悔しないサイズだからです。
この気軽さこそが、多くのキャンパーに選ばれる理由の一つです。
【魅力2】板金屋の魂が宿る「歪まない」頑丈さ
笑’sの母体は、精密板金加工を行う「昭和プレス」という会社です。
つまり、金属加工のプロフェッショナルが本気で作った焚き火台なのです。
安価な薄いステンレス製の焚き火台は、一度使うと熱でベコベコに歪むことがあります。
しかし、B-6君は熱変形に対して非常に強く作られています。
| 特徴 | 解説 | ユーザーの恩恵 |
| 0.6mm厚ステンレス | 適度な厚みを持たせた設計 | 熱による歪みを最小限に抑える |
| 精密な蝶番 | 遊びが少なくスムーズな開閉 | 長期間使ってもガタつきにくい |
| 立体的な構造 | 箱型に組むことで強度アップ | 重い鍋を乗せても安定する |
| 通気スリット | 側面に計算された空気穴 | 燃焼効率が高く、底板への熱負荷分散 |
「笑’s」のロゴが切り抜かれた側面プレートは、単なるデザインではありません。
空気を取り込む吸気口の役割を果たしています。
夜になり、焚き火の炎でロゴマークが赤く浮かび上がる様は、非常に幻想的です。
この「美しさ」と「機能美」の両立が、所有欲を満たしてくれます。
【魅力3】ソロキャンプ飯を極めるオプションパーツ

B-6君は、単体では「焚き火台」ですが、オプションを加えると「調理器具」に進化します。
専用のグリルプレートや焼き網が豊富に用意されているのも特徴です。
これらを組み合わせることで、居酒屋のような卓上調理が可能になります。
| オプション名 | 特徴・用途 | おすすめ料理 |
| B-6君専用 グリルプレート | 黒皮鉄板製。蓄熱性が高く肉が美味しく焼ける | ステーキ、焼肉 |
| B-6君専用 ハードロストル | 標準ロストルより太く頑丈な火床 | 炭火での長時間調理 |
| B-6君専用 ステンレスメッシュカングリル | 網焼き料理用。食材が落ちにくい | 焼き鳥、野菜焼き、干物 |
| B-6君専用 燗グリル | お湯を沸かしながら炙りができる変態的ギア | 熱燗、缶詰の温め、乾き物 |
特に「グリルプレート」は、B-6君ユーザーの多くが同時購入する必須アイテムです。
スリットから程よく脂が落ち、炭火の香ばしさが肉に移ります。
まさに「お一人様焼肉」を楽しむための最強のセットアップと言えるでしょう。
[1]
【比較】ステンレス製とチタン製の違い
B-6君には、標準のステンレスモデルに加え、高級なチタンモデルも存在します。
どちらを選ぶべきか迷う方のために、両者の違いを比較しました。
| 比較項目 | ステンレスモデル (標準) | チタンモデル (プレミアム) |
| 重量 | 約500g | 約300g (圧倒的に軽い) |
| 価格 | 手頃 (5,000円台〜) | 高価 (15,000円台〜) |
| 焼き色 | 黒ずんでいく | 美しい青紫色 (チタンブルー) に変化 |
| 熱伝導率 | 低め (局所的に熱くなることも) | さらに低い (保温性は高いがムラも出やすい) |
| 錆びにくさ | 強い (手入れが必要) | 極めて強い (海水でも錆びない) |
| おすすめな人 | 初心者、コスパ重視、ガシガシ使いたい人 | ULハイカー、道具の経年変化を楽しみたい人 |
チタンモデルの軽さは衝撃的ですが、価格も3倍近く跳ね上がります。
初めてのB-6君であれば、まずはステンレスモデルをおすすめします。
ステンレスでも十分に耐久性は高く、長く愛用できるからです。
【実践】組み立てと片付けのポイント
B-6君の組み立ては、まるでパズルのようで楽しい時間です。
慣れれば30秒とかからずに完成します。
ここでは、スムーズな設営と撤収の手順を整理します。
組み立て手順
- 折りたたまれた本体を開き、脚部を立てる。
- 前後の側面板を起こす。
- ロストル(火床)を中にはめ込む。
- 五徳(ゴトク)を上部にセットしてロックする。
片付け・メンテナンスのコツ
| 手順 | ポイント | 注意点 |
| 冷却 | 自然に冷めるのを待つ | 水をかけて急冷すると歪みの原因になる |
| 洗浄 | 金たわし等で焦げを落とす | 洗剤を使って油分をしっかり落とす |
| 乾燥 | 完全に乾かす | 濡れたままだと蝶番部分が錆びやすい |
| 収納 | ビニール袋に入れてから収納袋へ | 残った煤(すす)で袋が汚れるのを防ぐ |
使用後のB-6君は煤で汚れています。
付属のビニールケースに入れてから布製の収納袋に入れると、周囲を汚しません。
【注意点】購入前に知っておくべきデメリット
どんなに優れたギアにも、デメリットは存在します。
購入後に後悔しないよう、あらかじめ以下の点を理解しておきましょう。
| デメリット | 具体的な内容 | 対策・解決策 |
| 薪のサイズ制限 | 一般的な30〜40cmの薪は入らない | 薪をノコギリで小割にするか、小枝を使用する |
| 地面への熱 | ロストルと地面の距離が近い | 難燃シートやカーボンフェルトを必ず敷く |
| 風防の高さ | 側面が低いため、強風時は火が煽られる | 石で囲うか、別途ウインドスクリーンを用意する |
| 一度に焼ける量 | 焼肉なら2〜3切れが限界 | ソロ専用と割り切り、ゆっくり楽しむ |
特に「薪のサイズ」は重要です。
キャンプ場で売られている薪をそのままくべることはできません。
斧やナイフでのバトニング、あるいはノコギリ作業という「手間」が発生します。
しかし、この手間こそがソロキャンプの醍醐味であるとも言えます。
【まとめ】B-6君は一生モノの相棒になる
笑’sのB-6君は、単なる小型の焚き火台ではありません。
計算された機能美と、所有する喜びを与えてくれる、日本製の傑作ギアです。
最後に、B-6君の導入がおすすめな人をまとめます。
- 荷物を極限まで減らしたい徒歩・バイクキャンパー
- 焚き火を見ながら、ちびちびと酒を飲むのが好きな人
- 道具の手入れや、使い込むごとの変化を楽しめる人
- 信頼できる日本製品を使いたい人
メインの焚き火台としても、サブの調理台としても活躍するB-6君。
あなたのキャンプスタイルに、新たな「小さくて大きな楽しみ」を加えてくれるはずです。
ぜひ、次のキャンプのお供に検討してみてはいかがでしょうか。
脚注
[1] 笑’s -sho’s- ONLINE SHOP


