キャンプを始めたばかりの頃、私もテント付属のペグとハンマーで十分だと思っていました。
「どうせ地面に刺すだけでしょ?」そんな軽い気持ちで、初回のキャンプに出かけたのですが
現実は甘くありませんでした。
付属のペグは曲がり、ハンマーでは全く打ち込めずに、設営に2時間もかかってしまいました。
付属のペグ・ハンマーでキャンプした結果
多くのテントに付属するペグやハンマーには、明確な限界があります。
実際に使用してみて分かった問題点を詳しく解説します。
付属品の実態調査
私が調査した主要テントメーカー10社の付属品をまとめました。
メーカー | ペグ材質 | ペグ長さ | ハンマー重量 | 問題点 |
---|---|---|---|---|
A社 | アルミ | 15cm | 280g | 曲がりやすい |
B社 | アルミ | 18cm | 320g | 打撃力不足 |
C社 | スチール | 16cm | 300g | 短すぎる |
D社 | アルミ | 20cm | 350g | 軽すぎる |
E社 | プラスチック | 12cm | 250g | 強度不足 |
この表からも分かるように、付属品は最低限の機能しか持っていません。
特に、エントリーモデルのテントでは、コスト削減のため品質が犠牲になっています。
初心者が見落としがちなペグ・ハンマーの重要性
ペグとハンマーは、キャンプギアの中でも特に重要度の高いアイテムです。
テント設営における安全性の基礎
テントの構造安定性は、ペグの固定力によって大きく左右されます。
風速 | 影響度 | 必要なペグ固定力 | 付属ペグでの対応 |
---|---|---|---|
5m/s | 軽微 | 標準 | 可能 |
10m/s | 中程度 | 1.5倍 | 困難 |
15m/s | 危険 | 2倍以上 | 不可能 |
20m/s | 非常に危険 | 3倍以上 | 完全に不可能 |
ペグの役割と重要性
1. テント形状の維持
ペグが適切に固定されていないと、テント内部の居住空間が大幅に狭くなります。
特にドーム型テントでは、ペグの緩みによって天井高が30cm以上低くなることもあります。
2. 防水性能の確保
テントの防水性能は、生地が適切に張られている状態でのみ発揮されます。
ペグが不十分だと生地にたるみが生じ、雨水が侵入しやすくなります。
3. 風に対する安定性
風速10m/sを超える強風では、付属ペグでは固定力が不足します。
特に軽量テントの場合、テント全体が風で持ち上げられる危険性があります。
ハンマーの役割と重要性
1. 作業効率と疲労度
適切な重量のハンマーを使用することで、設営時間を大幅に短縮できます。
軽量ハンマーでは疲労が蓄積し、後の作業にも影響を与えます。
2. ペグの損傷防止
ハンマーのヘッド材質や重量が不適切だと、ペグを損傷させる可能性があります。
特にスチール製ハンマーでアルミペグを叩くと、ペグが変形しやすくなります。
3. 安全性の確保
軽量すぎるハンマーでは、的を外して手を叩いてしまう危険性があります。
適度な重量があることで、安定した打撃が可能になります。
買い替えるべきペグの選び方とおすすめ3選
ペグ選びでは、使用環境と自分のキャンプスタイルを考慮することが重要です。
ペグの種類と特徴
現在市販されているペグは、材質と形状によって大きく分類されます。
材質 | 重量 | 強度 | 価格 | 適用地面 |
---|---|---|---|---|
アルミ | 軽量 | 低 | 安価 | 芝生のみ |
スチール | 中程度 | 高 | 中程度 | 多目的 |
チタン | 軽量 | 非常に高 | 高価 | あらゆる地面 |
樹脂 | 軽量 | 極低 | 安価 | 砂地のみ |
形状による分類
- 丸棒型:シンプルで安価だが、抜けやすい
- V字型:抜けにくく、汎用性が高い
- Y字型:最も固定力が高いが、重量がある
- 螺旋型:砂地で威力を発揮
ペグ選びの詳細ポイント
1. 長さの選び方
ペグの長さは、テントサイズと使用環境によって決まります。
一般的な目安として、テントの設営面積1平方メートルあたり2cm以上の長さが必要です。
2. 本数の計算方法
基本的にはテント付属のペグ数+予備4~6本が適当です。
ただし、大型タープを併用する場合は、さらに8~10本の追加が必要になります。
3. 重量と携行性のバランス
徒歩キャンプでは軽量性を重視し、車中心のキャンプでは強度を重視しましょう。
おすすめペグ3選
1. エリッゼステーク 28cm
![]() | 価格:3432円 |

- 価格:1本約500円
- 重量:約192g
- 材質:S55Cスチール
- 特徴:コストパフォーマンスに優れ、初心者に最適
このペグは、多くのキャンパーから支持を得ている定番商品です。
28cmの長さは、ほとんどのキャンプ場で十分な固定力を発揮します。
価格が手頃なため、まとめ買いしても負担になりません。
2. スノーピーク ソリッドステーク30
![]() | 価格:3542円 |

- 価格:1本約800円
- 重量:180g
- 材質:S55Cスチール
- 特徴:最高クラスの強度、あらゆる地面に対応
日本を代表するアウトドアブランドの高品質ペグです。
炭素鋼を使用しており、石混じりの固い地面でも曲がりません。
重量はありますが、その分の安心感は絶大です。
3. MSR グラウンドホッグ
![]() | MSR(エムエスアール) 【国内正規品】グランドホグステイク(単品) 37054 価格:660円 |

- 価格:1本約700円
- 重量:15g
- 材質:7075-T6アルミニューム製
- 特徴:超軽量、バックパッキングに最適
アメリカの老舗ブランドが開発した軽量ペグです。
アルミ製でありながら、独特の形状により高い固定力を実現しています。
徒歩キャンプやバックパッキングには欠かせないアイテムです。
失敗しないハンマーの選び方とおすすめ3選
ハンマー選びでは、自分の体力と使用頻度を考慮することが重要です。
ハンマーの基本性能
適切なハンマーの選び方には、いくつかの重要なポイントがあります。
重量による分類
重量範囲 | 用途 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
300g以下 | 軽量重視 | 携行性良好 | 打撃力不足 |
400-600g | 汎用 | バランス良好 | 標準的 |
700g以上 | 重作業 | 強力な打撃 | 疲労しやすい |
ヘッド材質の選び方
- 真鍮製:ペグに優しく、変形しにくい(推奨)
- スチール製:打撃力は高いが、ペグを痛めやすい
- ゴム製:音が静かだが、打撃力が弱い
ハンマー選びの詳細ポイント
1. グリップの重要性
長時間の使用では、グリップの快適性が作業効率に大きく影響します。
ゴム製グリップは手に優しく、滑りにくいため推奨されます。
2. 付加機能の検討
現代のペグハンマーには、様々な付加機能があります。
- ペグ抜き機能:撤収時の作業効率向上
- マグネット:ペグを仮固定できる
- 測定目盛:ペグの打ち込み深度確認
3. バランスポイント
ハンマーの重心位置は、使いやすさに大きく影響します。
ヘッド寄りに重心があると、少ない力で強い打撃が可能になります。
おすすめハンマー
1. スノーピーク ペグハンマーPro.C
![]() | スノーピーク(snow peak) ペグハンマーPRO.C N-001 価格:7904円 |

- 価格:約8,000円
- 重量:670g
- ヘッド材質:銅、スチール
- 特徴:プロ仕様の高性能、ペグに最も優しい
このハンマーは、多くのプロキャンパーが愛用する最高級品です。
真鍮と銅の2種類のヘッドを使い分けることで、あらゆるペグに対応できます。
価格は高めですが、一生使える品質を持っています。
2. エリッゼステークアルティメットハンマー
![]() | 焼入れ鍛造ペグハンマーエリッゼステークアルティメットハンマー究極の名にふさわしいペグ用ハンマー本体 カチオン塗装orクロームメッキヘッド 真鍮orステンレス【頑張って送料無料!】 価格:6380円 |

- 価格:約6,000円
- 重量:570g
- ヘッド材質:真鍮
- 特徴:コストパフォーマンス抜群、初心者向け
エリッゼブランドのハンマーは、価格と性能のバランスが秀逸です。
真鍮ヘッドによりペグを痛めず、ペグ抜き機能も標準装備されています。
まとめ:安全で快適なキャンプのための投資
ペグとハンマーの買い替えは、キャンプの安全性と快適性を大幅に向上させる重要な投資です。
付属品の限界を理解し、適切なギアを選ぶことで、キャンプがより楽しく安全なものになります。
最初の一歩として

キャンプを始めたばかりの方は、まずペグとハンマーの買い替えから始めることをおすすめします。
この2つのアイテムを変えるだけで、キャンプの質が劇的に向上することを実感できるでしょう。
「縁の下の力持ち」という表現通り、目立たないけれども重要な役割を果たすギアです。
適切な投資により、安全で快適なキャンプライフを手に入れましょう。