なぜキャンプで「専用の靴」が必要なのか?
「いつものスニーカーで十分なのでは?」と考えているキャンプ初心者の方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、キャンプ場は舗装されていない土や芝、小石が多い、日常とは異なる特殊な環境です。
一般的なタウンユースのスニーカーでは、これらの環境に対応しきれない場面が多くあります。
朝露や突然の雨、水場での作業で靴が濡れてしまい、その後一晩中不快な思いをすることもあります。
また、テント設営時の不意な滑りや、夜間の移動でのケガのリスクも高まります。
キャンプ専用、またはアウトドアに特化したシューズを選ぶことは、快適性だけでなく、あなたの安全を守るためにも非常に重要なのです。
失敗しないキャンプシューズ選びの4つのポイント
ここでは、2025年に向けてキャンプシューズを選ぶ際に、絶対に抑えておきたい4つの重要なポイントを詳しく解説します。
この基準に照らし合わせることで、あなたのキャンプスタイルに最適な一足を見つけることができます。
ポイント 1:天候を気にしない「防水・撥水性」
キャンプは屋外アクティビティであるため、雨や朝露、泥汚れとは切っても切れない関係です。
靴が濡れると、足が冷えたり、靴擦れの原因になったり、最悪の場合、体調を崩すことにつながります。
- 防水(Waterproof): 靴の内部に水が浸透しないよう、完全な防水素材(例:ゴアテックスなど)が使用されているモデルです。雨天時や雪解けのシーズンに最適です。
- 撥水(Water-Repellent): 生地表面で水を弾きますが、縫い目などから水が浸入する可能性があります。小雨や朝露程度の対策には有効です。
特に、急な天候変化に対応するため、**「防水機能」**を持つシューズをメインに選ぶことを強くおすすめします。
| 機能 | 特徴 | 適したシーン |
| 防水 (Waterproof) | 水を完全にシャットアウトする | 大雨、雪、長時間の濡れ作業 |
| 撥水 (Water-Repellent) | 表面で水を弾く | 小雨、朝露、水濡れの少ない環境 |
ポイント 2:フィールドで滑らない「グリップ力」
キャンプ場は平坦ではありません。石ころ、濡れた木の根、滑りやすい芝生、泥など、足元が不安定になりがちです。
シューズのアウトソール(靴底)のグリップ力は、安全な歩行を確保するために最も重要な要素の一つです。
- ソールのパターン(溝): 凹凸が深く、多方向への溝が刻まれているものが優れています。これにより、様々な角度の地面をしっかりと捉えます。
- ソールの素材: 摩擦力の高いゴム素材(例:ビブラムソールなど)が使われているかを確認しましょう。硬すぎるソールは滑りやすく、柔らかすぎると耐久性に欠けます。
特に、高低差のあるキャンプ場や、川遊びを伴うキャンプでは、強力なグリップ力を持つシューズを選びましょう。
ポイント 3:キャンプスタイルに合わせた「形状」
キャンプシューズの形状は、大きく分けて「ブーツ・ミッドカット」「スニーカー・ローカット」「サンダル」の3種類があります。あなたのキャンプスタイルに合わせて最適な形状を選びましょう。
| 形状 | 特徴 | メリット | デメリット |
| ブーツ / ミッドカット | 足首まで覆う、安定性が高い | 足首の保護、浸水防止、高い耐久性 | 重い、着脱に時間がかかる、通気性が劣る |
| スニーカー / ローカット | 一般的な運動靴の高さ | 軽量で動きやすい、着脱が比較的容易 | 水や小石が入りやすい、足首の保護がない |
| サンダル / クロッグ | 通気性が高く、水に強い | 非常に軽量、速乾性、リラックスできる | 保護力が低い、悪路には不向き |
ポイント 4:着脱のしやすさ(サブシューズの重要性)
テントサイトでのリラックスタイムや、夜中にトイレに行く際など、頻繁に靴を脱ぎ履きする機会が多いのがキャンプです。
メインシューズとは別に、**「サブシューズ」**を用意することで、キャンプの快適性は格段に向上します。
- メインシューズ: 設営や撤収、ハイキングなど、本格的な活動時に履く、保護力・グリップ力に優れたもの(例:ハイキングブーツ、本格ローカット)
- サブシューズ: テントサイト内や近隣の移動時に履く、着脱が容易なもの(例:クロッグサンダル、スリッポン)
特に、かかとを踏んで履けるタイプのシューズや、ダイヤル式(BOAフィットシステムなど)の着脱機構を持つシューズは、非常に便利でおすすめです。
【2025年最新】男性におすすめのキャンプシューズ10選
前述の選び方のポイントを踏まえ、2025年版として特におすすめのキャンプシューズを、利用シーン別に10モデルご紹介します。
カテゴリー 1:オールマイティな定番モデル
これらのモデルは、幅広いキャンプ環境に対応できるバランスの取れた機能性を持ち、一足目に選ぶのに最適です。
| おすすめモデル | ブランド | 特徴的な機能 | 適したキャンパー |
| キーン / ターギー III ウォータープルーフ | KEEN | KEEN.DRY防水透湿素材、全地形対応の頑丈なソール | 悪路が多いキャンプ場、雨天時、ハイキングも楽しみたい人 |
| メレル / モアブ 3 ゴアテックス | MERRELL | GORE-TEX採用、Vibram TC5+アウトソール | 定番の安心感が欲しい人、軽量性も重視したい人 |
| サロモン / X ウルトラ 4 ゴアテックス | Salomon | アドバンスド・シャーシ™、クイックレース™システム | テント設営・撤収を素早く済ませたい人、軽快な動きを求める人 |
モデル詳細
キーン / ターギー III ウォータープルーフ
- このモデルは、キーンが誇る防水透湿素材「KEEN.DRY」を採用しており、雨が降っても安心です。
- つま先を保護する独自のバンパーデザインは、テント設営時の不意な接触から足を守ります。
- ローカットとミッドカットがあり、キャンプスタイルに合わせて選べる汎用性の高さも魅力です。

メレル / モアブ 3 ゴアテックス
- 世界中のハイカーから支持される「モアブ」シリーズの最新作です。
- GORE-TEXの完全防水性と、高い耐久性を持つVibramアウトソールを搭載しています。
- 足入れの良さと適度なクッション性で、長時間の着用でも疲れにくいのが特徴です。

サロモン / X ウルトラ 4 ゴアテックス
- トレイルランニングの技術を応用した、軽量で機動性に優れたシューズです。
- 独自の「クイックレース™」システムにより、グローブをつけたままでも素早く脱ぎ履きができます。
- キャンプ場までのアプローチが長距離な場合や、アクティブに動き回るキャンパーにおすすめです。

カテゴリー 2:水場・夏キャンプに強いサンダルタイプ
夏季や水辺でのキャンプでは、速乾性と通気性に優れたサンダルタイプが活躍します。
| おすすめモデル | ブランド | 特徴的な機能 | 適したキャンパー |
| テバ / リ エンバー モック 2 | Teva | 折りたたみ式ヒール、撥水リップストップアッパー | メインシューズのサブ、テントサイトでのリラックスタイム |
| キーン / ユニーク | KEEN | 2本のコードとソールで作られた革新的な構造 | 夏の川遊び、ファッション性も重視したい人 |
| クロックス / クラシック オールテレイン クロッグ | crocs | 強化されたアウトソール、調節可能なターボストラップ | 最も着脱のしやすさを重視、水濡れを気にしない人 |
モデル詳細
テバ / リ エンバー モック 2
- スニーカーとサンダルの中間のような、ユニークなデザインのモックシューズです。
- かかと部分を折りたたんでスリッパのように履くことができ、テントへの出入りが非常に楽になります。
- 撥水加工が施されており、夜露や軽い雨にも対応できるのが嬉しいポイントです。

キーン / ユニーク
- 素足感覚で履ける開放的なデザインながら、足をしっかりとホールドする高い安全性も兼ね備えています。
- 水に濡れてもすぐに乾く速乾性があり、川遊びやビーチでの使用にも最適です。
- ソックスを合わせることで、春から秋口まで長く使える汎用性も魅力です。

クロックス / クラシック オールテレイン クロッグ
- 従来のクラシックモデルより、アウトソールに深い溝が追加され、悪路でのグリップ力が強化されています。
- 調節可能な「ターボストラップ」で、よりしっかりと足に固定することができます。
- 汚れても水で丸洗いできる手軽さは、他の追随を許さない利便性を持っています。

カテゴリー 3:タフな山岳フィールド向けモデル
本格的な登山道を含むキャンプや、重い荷物を運搬するヘビーデューティーなキャンプにおすすめの、保護力と耐久性に優れたモデルです。
| おすすめモデル | ブランド | 特徴的な機能 | 適したキャンパー |
| ザ・ノース・フェイス / ベクティブ エクスプロリス 2 LT | THE NORTH FACE | VECTIV™ミッドソール、ロッカー構造 | 長距離の歩行が多い、足の疲労軽減を最優先したい人 |
| コロンビア / サップランド アーク ミッド オムニテック | Columbia | オムニテック防水、ヴィブラム・アークティック・グリップ | 冬キャンプ、雪や凍結路面での安全性を重視する人 |
| ホカ / カハ 2 GTX | HOKA | 厚底のクッション、GORE-TEXファブリクス | 足への衝撃を極力抑えたい、安定性を求める人 |
| アークテリクス / アプローチ シューズ | Arc’teryx | 優れたフリクション性能、フィット感の高いアッパー | 岩場や不安定な足場が多い、軽量さも求めたい人 |
モデル詳細
ザ・ノース・フェイス / ベクティブ エクスプロリス 2 LT
- 推進力を生み出すVECTIV™テクノロジーにより、少ない力で効率よく前進できるのが最大の特長です。
- キャンプ場までの道のりが長かったり、周辺のトレッキングを楽しむ際に、足の疲労を大きく軽減します。
- デザインも洗練されており、街中でも違和感なく履ける汎用性も持ちます。

コロンビア / サップランド アーク ミッド オムニテック
- 冬のキャンプや雪中での活動を想定して開発された、高い保温性とグリップ力を誇るブーツです。
- 濡れた氷上でも高いグリップ力を発揮するヴィブラムソールを搭載し、冬の安全な移動をサポートします。
- 独自の防水透湿機能「オムニテック」で、雪や雨から足を守ります。

ホカ / カハ 2 GTX
- ホカ特有の分厚いクッション(厚底)が、まるで絨毯の上を歩いているかのような快適な履き心地を提供します。
- 重いバックパックを背負っていても、足への衝撃をしっかりと吸収し、関節の負担を軽減します。
- GORE-TEX搭載で防水性も申し分なく、タフな環境下でも安心して使用できます。

アークテリクス / アプローチ シューズ
- クライミングシューズの技術を取り入れており、岩や石の上でのフリクション(摩擦)性能に優れています。
- 一般的なハイキングシューズよりも足へのフィット感が高く、精密な足運びが可能です。
- ミニマルでスタイリッシュなデザインは、ギアへのこだわりを持つキャンパーに特に支持されています。

キャンプシューズのお手入れと保管方法
お気に入りのキャンプシューズを長く、快適に使うためには、適切なメンテナンスが欠かせません。
特に防水機能を維持するためには、ちょっとした手間を惜しまないことが大切です。
泥汚れの落とし方
- 1. 乾いた状態で大きな泥を落とす: ブラシ(使い古しの歯ブラシなど)を使って、まずは表面の乾いた泥をしっかりと払い落とします。
- 2. 水洗い(必要に応じて): 防水シューズの場合は、ぬるま湯で優しく洗い流します。洗剤を使う場合は、革や防水素材を傷めない中性洗剤をごく少量使用してください。
- 3. インソール(中敷き)の取り外し: インソールは必ず取り外し、別々に洗って乾燥させます。においやカビの原因となるため、この一手間が重要です。
防水・撥水機能のメンテナンス
防水透湿素材は、表面の撥水性が落ちると、機能が低下してしまいます。
- 洗濯後の乾燥時に熱を加える: 洗濯後、完全に乾いた後に低温の乾燥機にかける、またはドライヤーの熱(当てすぎ注意)を当てることで、撥水機能が復活する場合があります [1]。
- 撥水スプレーの活用: 定期的にアウトドア用のフッ素系撥水スプレーを吹き付け、防水性能を維持しましょう。スプレーは靴全体にムラなくかけることがポイントです。
| シーズン | お手入れのポイント | 注意点 |
| 使用後 | 泥や砂をブラシで落とし、インソールを外して乾燥させる | 濡れたまま放置しない。カビや臭いの原因となる。 |
| 半年に一度 | 撥水スプレーを再加工、靴紐を交換 | スプレーは必ず換気の良い場所で行う。 |
| 長期保管時 | 乾燥剤を入れ、通気性の良い場所で保管 | 車のトランクなど、高温多湿になる場所は避ける。 |
保管場所の重要性
シューズは、直射日光の当たらない、風通しの良い場所に保管してください。
特に、防水素材やゴムは紫外線や高温に弱いため、シューズボックスに入れっぱなしにせず、時々取り出して風を通すことが長持ちの秘訣です。
まとめ
2025年、あなたのキャンプライフを快適かつ安全にしてくれる「キャンプシューズ」の選び方とおすすめモデルをご紹介しました。
防水性、グリップ力、そしてあなたのスタイルに合った形状を考慮して選ぶことが、失敗しない一足を見つける鍵となります。
今回ご紹介した10モデルは、機能性はもちろん、デザイン性にも優れたものばかりです。テントサイトで格好よく決まるシューズは、あなたのモチベーションも高めてくれることでしょう。
ぜひ、この記事を参考に、あなたにとって最高の相棒となる一足を見つけて、今年のキャンプをさらに楽しんでください!


