【完全保存版】ギアの「スタッキング」で収納美人?荷物を劇的に減らす神テクニック

キャンプギア

はじめに

お気に入りのギアが増えれば増えるほど、収納スペースの確保は深刻な問題になります。

車のトランクが閉まらない、あるいは自宅の収納棚が限界を迎えている方は多いのではないでしょうか。

そんな悩みを一挙に解決するのが、今回ご紹介する「スタッキング(Stacking)」という技術です。

単にモノを積み上げるのではなく、計算されたパズルのように組み合わせることで、驚くほどコンパクトに収納できます。


スタッキングとは?「重ねる」がもたらす革命

スタッキングとは、大きさの異なるギアを重ねたり、入れ子状に収納したりするテクニックを指します。

ロシアの民芸品「マトリョーシカ」をイメージすると分かりやすいでしょう。

大きな鍋の中に中くらいの鍋を入れ、さらにその中に小さなマグカップを入れるといった具合です。

この技術をマスターすることで、積載量には劇的な変化が生まれます。

まずは、スタッキングを導入することで得られるメリットを整理してみましょう。

メリット具体的な効果
積載量の削減空間の「空気」を運ぶ無駄がなくなり、荷物の体積が30%〜50%減少します。
ギアの保護隙間なく収納することで、移動中の振動によるギア同士の衝突を防ぎます。
設営・撤収の短縮「使うセット」ごとにまとめることで、現地での探し物がなくなります。
忘れ物防止パッケージ化された収納を行うため、一つのセットを確認するだけで済みます。
美観の向上整然と収められたギアは見た目にも美しく、サイト全体の雰囲気を良くします。

このように、スタッキングは単なる「片付け」以上の価値を提供してくれます。

次は、実際にスタッキングを行うための基本ルールを見ていきましょう。


実践前に知っておきたい3つの基本ルール

やみくもに重ねるだけでは、美しいスタッキングは完成しません。

効率よく、かつ安全に収納するためには、物理的な法則に従う必要があります。

ここでは、必ず守るべき3つの基本原則をご紹介します。

1. 形状を統一する

最も基本的なルールは「同じ形のものを揃える」ことです。

丸いものには丸いものを、四角いものには四角いものを合わせるのが鉄則です。

形状タイプ特徴とスタッキングのコツ推奨ギア例
円形(ラウンド)最も一般的で回転させながら収納可能。
中心を合わせやすいが、四隅にデッドスペースができやすい。
クッカー、シェラカップ、マグ、皿
四角形(スクエア)コンテナや車載時に最も無駄がない形状。
角のR(カーブ)が合うか確認が必要。
メスティン、ホットサンドメーカー、ハードコンテナ
円錐台形飲み口が広く底が狭い形状。
重ねた際に高さが出にくく、最もスタッキング効率が良い。
シェラカップ、スタッキングマグ

2. 「大・中・小」のサイズ差を把握する

スタッキングを成功させるには、アイテムごとのサイズ差(クリアランス)が重要です。

サイズが近すぎると抜けなくなったり、傷がついたりする原因になります。

逆にサイズ差がありすぎると、中でガタついて破損のリスクが高まります。

理想的なクリアランスは、直径で「5ミリ 〜 1センチ」程度の余裕がある状態です。

3. 重心バランスを考える

複数のギアを重ねて一つの塊(ユニット)にする際、重心の位置を意識してください。

重いギア(鋳鉄製など)を一番下にし、軽いギア(チタンやプラスチック)を上に配置します。

これは、持ち運び時の安定性を高めると同時に、下のギアへの負荷を減らすためです。

順序配置すべきアイテム理由
上層プラスチック、シリコン、薄手のチタン製品軽くて割れにくいものを配置し、重心を下げる。
中層ステンレス、アルミ製のクッカー類メインとなるギア。形状が安定しているもの。
下層スキレット、ダッチオーブン、大型の皿重く頑丈なもの。土台としての役割を果たす。

【素材別】ギア同士の相性と保護のコツ

スタッキングにおいて、サイズと同じくらい重要なのが「素材の相性」です。

硬い金属同士が触れ合うと、コーティングが剥がれたり、不快な金属音が発生したりします。

素材の硬度を理解し、適切な組み合わせを選びましょう。

素材の硬度関係と注意点

以下の表は、アウトドアギアによく使われる素材の硬さと、スタッキング時の注意点をまとめたものです。

素材硬度レベルスタッキング時の注意点
チタン非常に硬いが、強い摩擦で傷がつきやすい。
他の金属を削ってしまう恐れがある。
ステンレス中〜高丈夫で錆びにくい。
アルミ製品と重ねる際は、アルミ側が凹まないよう注意。
アルミ低〜中柔らかく変形しやすい。
ハードなスタッキングには緩衝材が必須。
プラスチック傷はつきにくいが、割れる可能性がある。
無理な押し込みは厳禁。
木製湿気を含んで膨張することがある。
金属の中にキツキツに入れると抜けなくなるリスクあり。

異素材を組み合わせるメリット

同じ素材同士だけでなく、あえて異なる素材を組み合わせるのもテクニックの一つです。

例えば、金属製クッカーの中にシリコン製の折りたたみカップを入れるケースを見てみましょう。

シリコンがクッションの役割を果たし、金属同士が直接ぶつかるのを防いでくれます。

このように、間に「柔らかい素材」を挟むことを意識すると、ギアの寿命が延びます。


【実践編】クッカー・食器のスタッキング術

それでは、具体的なスタッキングの手順を解説します。

最も効果を実感しやすい「クッカー(調理器具)」と「食器」の組み合わせに焦点を当てます。

クッカーの中に「食」のすべてを収める

理想的なスタッキングは、一つのクッカーセットを開けば、そこに必要な道具がすべて揃っている状態です。

これを「ワンセット・パッキング」と呼びます。

以下は、ソロキャンプにおける標準的なスタッキングの構成例です。

階層アイテム例収納のポイント
外側(シェル)中型アルミクッカー全体を包み込むケースの役割。蓋はフライパンとして活用。
第2層小型ケトル or 深型クッカー湯沸かし用。外側のクッカーとの隙間に布巾を挟むと静音性が向上。
第3層シングルバーナー小型ガスバーナー本体。タオルなどで包んで傷防止。
中心部カトラリー・調味料箸やスプーン、小分けにした調味料ボトルを隙間に詰める。
最上部ガス缶(OD缶)逆さまにしてクッカーの蓋の裏スペースに収める(要サイズ確認)。

シェラカップこそスタッキングの王様

アウトドア特有のカップ「シェラカップ」は、スタッキングのために生まれたと言っても過言ではありません。

同じメーカーのものであれば、10個重ねても高さはそれほど変わりません。

しかし、ここにも一工夫を加える余地があります。

  • ザル(ストレーナー)を挟む:シェラカップと同サイズのザルを間に挟むことで、水切り機能を付加しつつ収納できます。
  • リッド(蓋)の使用:数枚のシェラカップの底に、それぞれの専用リッドを敷いて重ねると、取り出した時にすぐ蓋が使えます。

【応用編】コンテナ収納とデッドスペース活用

小物類のスタッキングができたら、次はそれらを収納する「コンテナ」へのパッキングです。

ここでは「テトリス」のような空間把握能力が求められます。

ハードコンテナとソフトコンテナの使い分け

すべてのギアをハードコンテナ(硬い箱)に入れる必要はありません。

形状が変わらないものと、変形できるものを区別して収納しましょう。

コンテナタイプ適した収納物スタッキングのコツ
ハードコンテナランタン、燃料、クッカー、火器類潰れてはいけない精密機器を守る。
四角い形状を選び、車載時のデッドスペースを減らす。
ソフトコンテナ寝袋、ウェア、タオル、テント形状を自在に変えられるため、ハードコンテナの隙間埋めに最適。
圧縮ベルトを活用して体積を減らす。

「隙間」は収納スペースである

コンテナにギアを詰めていくと、どうしても半端な隙間が生まれます。

この隙間を「ただの空間」として放置せず、「小物入れ」として活用します。

これを徹底するだけで、収納効率はさらに20%向上します。

  • 円柱の隙間:ガス缶やランタンの周囲にある4隅の隙間には、予備の電池やライターを差し込みます。
  • クッカー内部の空洞:先述の通り、お米(ジップロック入り)やパスタなどの食料庫として利用します。
  • 蓋の裏側:コンテナの蓋の裏にゴムバンドを取り付け、説明書や薄いカッティングボードを固定します。

よくある失敗と解決策(ノイズ・傷対策)

スタッキングに慣れてきた頃に発生しやすいトラブルがあります。

それは、移動中の「カチャカチャ音」と、愛用ギアの「傷」です。

これらを防ぐための「バッファー(緩衝材)」テクニックをご紹介します。

緩衝材として使える意外なアイテム

専用のケースを買わなくても、身近なもので十分に代用可能です。

むしろ、現地で別の用途に使えるもの(Dual Purpose Item)を緩衝材にするのが賢い選択です。

アイテム緩衝材としての役割現地での用途
手ぬぐい・バンダナクッカー同士の間に挟む。
薄手なのでかさばらない。
食器拭き、汗拭き、簡易マスク、鍋つかみ。
軍手・革手袋鋭利なギアや重い金属製品を包む。焚き火作業、設営時の手荒れ防止。
キッチンペーパークッカー内部の隙間埋め。
芯を抜いて潰して入れる。
汚れの拭き取り、着火剤代わり。
シリコン鍋敷きカタカタ音の発生源となる底面に敷く。熱い鍋を置く際の鍋敷き、瓶の蓋開け。
ニット帽・靴下ガス缶やマグカップに被せる。防寒具の予備。

「シンデレラフィット」の落とし穴

「シンデレラフィット」とは、異なるメーカーの製品同士が奇跡的にピッタリ収まることを指す人気用語です。

しかし、あまりにピッタリすぎると以下の問題が発生します。

  1. 気圧や温度変化で抜けなくなる:標高の高いキャンプ場へ行くと気圧が下がり、密閉された容器が開かなくなることがあります。
  2. 汚れで固着する:煤(すす)や吹きこぼれが付着したまま重ねると、接着剤のように固まってしまいます。

対策:完璧なフィットを目指しすぎず、紙一枚分程度の「遊び」を持たせるか、必ず薄い布を一枚噛ませるようにしましょう。


まとめ:美しいスタッキングは安全にもつながる

ギアのスタッキングは、単に荷物を小さくするだけの技術ではありません。

道具一つひとつと向き合い、その形状や素材を理解するプロセスでもあります。

最後に、今回ご紹介したポイントをチェックリストとしてまとめました。

次回のパッキング時にぜひご活用ください。

スタッキング・チェックリスト

  • [ ] 形状の統一:丸は丸、四角は四角でまとまっているか?
  • [ ] 重心の確認:重いものが下、軽いものが上になっているか?
  • [ ] 異素材の保護:金属同士が直接触れ合っていないか?間に布を挟んだか?
  • [ ] 隙間の活用:クッカーの中に空間(空気)は残っていないか?
  • [ ] 遊びの確保:キツすぎて抜けなくなる恐れはないか?
  • [ ] ワンセット化:使うシーンごとに道具がまとまっているか?

美しくスタッキングされたギアは、車載時の荷崩れを防ぎ、移動の安全性を高めます。

そして何より、現地に着いてコンテナを開けた瞬間、整然と並んだギアを見る快感は格別です。

まずは手持ちのギアをすべて並べ、マトリョーシカのような組み合わせを探すことから始めてみませんか?

それはきっと、新しいギアを買う以上にワクワクする時間になるはずです。

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