「一人で静かに焚き火を眺めたい」 「誰にも邪魔されず、自然の中でコーヒーを飲みたい」 そんな憧れを抱いてソロキャンプを始める方が、今とても増えています。
しかし、初心者が最初に突き当たる壁が「道具選び」です。 アウトドアショップには無数のギアが並び、どれを買えば良いか迷ってしまいます。 高価な買い物ですから、絶対に失敗したくないというのが本音ではないでしょうか。
本記事では、キャンプブログの管理人が数多くの失敗を経て辿り着いた、ソロキャンプの「正解」とも言える道具一式をご紹介します。 これから道具を揃える方が、自信を持って最初の一歩を踏み出せるような構成にしました。 ぜひ、あなたの相棒となるギア探しの参考にしてください。
- はじめに:ソロキャンプを成功させる道具選びの極意
- 1. テント:自分だけの「移動式別荘」を設営しよう
- 2. シュラフ(寝袋):季節に合わせた選択が安眠の鍵
- 3. コット:地面の影響を受けない「最強のベッド」
- 4. 焚き火台:キャンプの主役!ソロに適したサイズ選び
- 5. チェア:リラックス時間を左右する最重要アイテム
- 6. テーブル:作業効率を高める機能的な配置のコツ
- 7. バーナー:手軽さと火力のバランスを追求する
- 8. クッカー:料理の幅を広げる「スタッキング」の魔法
- 9. ランタン:夜のサイトを彩る光の使い分け術
- 10. ナイフ:ブッシュクラフトから調理までこなす一本
- おわりに:道具を使い込むことで生まれる自分だけのキャンプ
はじめに:ソロキャンプを成功させる道具選びの極意
ソロキャンプは、全ての作業を自分一人で行う必要があります。
そのため、道具選びの基準はグループキャンプとは大きく異なります。
まずは、初心者が意識すべき 3 つの基本原則を確認しましょう。
| 選び方の原則 | 理由とメリット | 注意点 |
| 軽量・コンパクト | 持ち運びや家での収納が楽になる。 | 極端に軽いものは耐久性が低い場合もある。 |
| 設営のシンプルさ | 設営に時間をかけず、自由時間を増やせる。 | 事前に家や公園で練習しておくことが重要。 |
| 多機能・汎用性 | 荷物の総数を減らすことができる。 | 専用道具の使い勝手には劣ることもある。 |
ソロキャンプでは、重い荷物を運ぶだけで体力を消耗してしまいます。
できるだけ軽くて小さいものを選び、スマートにキャンプを楽しみましょう。
それでは、管理人が厳選した 10 点の道具を順に見ていきます。
1. テント:自分だけの「移動式別荘」を設営しよう


テントは、雨風を凌ぎ、プライベートな空間を確保するためのシェルターです。
ソロキャンプ用テントには、大きく分けて「自立式」と「非自立式」の 2 種類があります。
初心者は、場所を選ばず設営できる自立式のドーム型テントから始めるのが無難です。
| テントのタイプ | 特徴 | 初心者へのおすすめ度 |
| ドーム型 | ポールをクロスさせるだけで自立する。 | ★★★★★ |
| ワンポール型 | 設営が早いが、ペグダウンが必須。 | ★★★★☆ |
| パップテント | 軍幕風でおしゃれだが、少しコツがいる。 | ★★★☆☆ |
管理人がおすすめするのは、前室(玄関スペース)が広いタイプです。
前室があれば、靴や濡れた荷物を置くことができ、寝室を広く使えます。
また、雨の日でも前室で調理ができるため、非常に便利です。
| おすすめモデル | 重量 | サイズ(収納時) | 素材 |
| コールマン ツーリングドーム ST | 約 4.0 kg | 直径 19 × 49 cm | ポリエステル |
| モンベル クロノスドーム 1 | 約 2.2 kg | 直径 16 × 33 cm | ナイロン |
2. シュラフ(寝袋):季節に合わせた選択が安眠の鍵

シュラフは、季節やキャンプ地の気温に合わせて適切に選ぶ必要があります。
一つのシュラフで一年中過ごすのは、日本の気候では非常に困難です。
自然の中での睡眠は、思っている以上に体温を奪われます。
シュラフ選びを間違えると、寒さで一睡もできないという悲劇が起こります。
ここでは、管理人が信頼を寄せるメーカー「NANGA(ナンガ)」を中心に、シーズン別のおすすめをまとめました。
シーズン別おすすめシュラフ比較表
| キャンプの時期 | 推奨される快適温度 | おすすめのモデル | 特徴 |
| 夏( 7 〜 8 月) | 10 ℃ 以上 | NANGA オーロラライト 350 DX | 軽量で通気性も良く、夏山でも安心。 |
| 春秋( 3 季) | 0 ℃ 〜 5 ℃ | NANGA オーロラライト 450 DX | 最も汎用性が高く、最初の一本に最適。 |
| 初冬( 11 〜 12 月) | -5 ℃ 以下 | NANGA オーロラライト 600 DX | 本格的な冬キャンプの入り口に。 |
| 厳冬( 1 〜 2 月) | -10 ℃ 以下 | NANGA オーロラライト 750 DX | 雪上キャンプでも耐えうる極暖仕様。 |
シュラフ選びの際は、「限界使用温度」ではなく「快適使用温度」を基準にしてください。
多くの初心者が限界温度を見て購入し、実際の寒さに驚くケースが後を絶ちません。
また、シュラフカバーが不要な「オーロラライト」シリーズは、荷物を減らしたいソロキャンパーに最適です。
3. コット:地面の影響を受けない「最強のベッド」

キャンプで寝付けない最大の原因は、地面の凸凹や冷気です。
これらを一気に解決してくれるのが「コット(簡易ベッド)」です。
コットを使うことで、自宅のベッドに近い寝心地を手に入れることができます。
| コットの高さ | メリット | デメリット |
| ハイ(高) | ベンチとしても使え、立ち座りが楽。 | 重くて大きく、安定感に欠ける。 |
| ロー(低) | 低いテントでも使え、安定感がある。 | 地面からの距離が近く、冷えやすい。 |
最近のトレンドは、脚の長さを変えられる「 2 WAY タイプ」です。
テントの高さや季節に合わせて調整できるため、非常に重宝します。
管理人は、ヘリノックスの「コットワン コンバーチブル」を愛用しています。
| おすすめコット比較 | 重量 | 耐荷重 | 収納サイズ |
| ヘリノックス コットワン | 2.3 kg | 145 kg | 16 × 16 × 54 cm |
| WAQ 2WAY フォールディングコット | 3.2 kg | 150 kg | 18 × 18 × 60 cm |
| ネイチャーハイク 2WAY コット | 2.3 kg | 150 kg | 19 × 52 cm |
4. 焚き火台:キャンプの主役!ソロに適したサイズ選び

ソロキャンプの醍醐味といえば、何と言っても焚き火です。
最近は直火(地面で直接火を燃やすこと)が禁止のキャンプ場がほとんどです。
そのため、自分専用の「焚き火台」を用意する必要があります。
| 焚き火台のタイプ | メリット | デメリット |
| 折りたたみ・軽量型 | バックパックに入るほど薄く、軽い。 | 大きな薪が入らず、薪を割る必要がある。 |
| 頑丈・ボックス型 | 市販の薪をそのまま投入できる。 | 重くて持ち運びが大変。 |
| メッシュ型 | 燃焼効率が非常に高く、灰が残りにくい。 | 火の粉が下に落ちやすく、シートが必須。 |
ソロ用には、A 4 サイズ程度に収納できるコンパクトなモデルが人気です。
例えば「Tokyo Camp」の焚き火台は、軽量ながら大きな薪も置ける絶妙なサイズ感です。
焚き火を眺めるだけでなく、料理にも使いたい場合は、五徳(網を置く台)がしっかりしたものを選びましょう。
| 人気のソロ用焚き火台 | 重さ | 特徴 |
| Tokyo Camp 焚き火台 | 約 965 g | 安定感抜群。大きな薪もそのまま置ける。 |
| ピコグリル 398 | 約 442 g | 圧倒的な軽さ。キャンパーの憧れの一品。 |
| スノーピーク 焚火台 S | 約 1.8 kg | 一生モノの頑丈さ。設営が 1 秒で終わる。 |
5. チェア:リラックス時間を左右する最重要アイテム

キャンプサイトに着いてから寝るまでの間、最も長い時間を過ごすのがチェアです。
チェアの座り心地が悪いと、せっかくの休日が台無しになってしまいます。
ソロキャンプでは、以下の 2 つのスタイルから自分に合う方を選びましょう。
- ハイスタイル: 一般的な椅子と同じ高さ。食事や作業がしやすい。
- ロースタイル: 地面に近い。焚き火をいじりやすく、足を伸ばしてリラックスできる。
管理人の推奨は「ロースタイル」です。
目線が低くなることで、自然との一体感が強まり、ゆったりとした時間を過ごせます。
特にお尻が包み込まれるような形状のチェアは、長時間座っていても疲れにくいです。
| おすすめチェア一覧 | 重量 | 耐荷重 | 座面の高さ |
| ヘリノックス チェアワン | 890 g | 145 kg | 35 cm |
| DOD スゴイッス | 2.3 kg | 100 kg | 32 cm 〜 44 cm(調整可) |
| カーミットチェア | 2.4 kg | 158 kg | 30 cm |
6. テーブル:作業効率を高める機能的な配置のコツ

ソロキャンプのテーブル選びで重要なのは「手の届く範囲に必要なものを置けるか」です。
あまりに小さいテーブルだと、飲み物一つ置くのにも苦労します。
逆に大きすぎると、設営や撤収が面倒になってしまいます。
| テーブルの素材 | メリット | デメリット |
| アルミニウム | 軽くて丈夫。熱い鍋を直接置ける。 | 傷が目立ちやすく、無機質な印象。 |
| ステンレス | 熱や錆に非常に強い。焚き火の横でも安心。 | 重い。冬場は冷たく感じる。 |
| ウッド(木) | 見た目がおしゃれ。キャンプの雰囲気に合う。 | 湿気に弱く、手入れが必要。重い。 |
管理人は、メインテーブルに加えて、小さなサイドテーブルを用意することをおすすめします。
コーヒーを淹れる、スマホを置くなど、ちょっとしたスペースがあるだけで快適さが倍増します。
スノーピークの「オゼン ライト」は、軽さと安定感のバランスが取れた名作です。

| テーブルの組み合わせ例 | メイン | サブ |
| 軽量重視セット | SOTO フィールドホッパー | スノーピーク オゼン ライト |
| 雰囲気重視セット | ヘリノックス テーブルワン | オピネル 木製ボード |
| 調理重視セット | ユニフレーム 焚き火テーブル | キャプテンスタッグ アルミロールテーブル |
7. バーナー:手軽さと火力のバランスを追求する

ST-310
焚き火で調理をするのも楽しいですが、朝一番のコーヒーや、雨の日の調理にはバーナーが必須です。
バーナーには使用する燃料によって、大きく 2 つのタイプがあります。
- CB 缶(カセットボンベ): コンビニでも買える。安価で経済的。
- OD 缶(アウトドア缶): 火力が強く、寒冷地でも安定する。見た目がプロっぽい。
初心者は、まず「CB 缶」タイプから始めるのが良いでしょう。
燃料の入手が容易で、コストパフォーマンスに優れているからです。
SOTO の「レギュレーターストーブ ST-310」は、極寒の地でも火力が落ちにくい高性能なモデルです。
| 項目 | ST-310 の詳細スペック |
| 発熱量 | 2,500 kcal / h |
| 使用時間 | 約 1.5 時間(標準的なカセットガス使用時) |
| 重量 | 350 g |
| 特長 | 4 本の脚がしっかりしており、大きな鍋も乗せられる。 |
8. クッカー:料理の幅を広げる「スタッキング」の魔法

クッカーとは、キャンプ用の鍋やフライパンのことです。
限られた荷物の中で、どれだけ効率よくパッキングできるかがソロキャンプの醍醐味です。
道具を入れ子状に重ねて収納することを「スタッキング」と呼びます。
| クッカーセットの例 | 内容物 | 特徴 |
| 深型セット | ポット、蓋(兼フライパン) | 炊飯やスープ作りに最適。 |
| 浅型セット | 広い鍋、フライパン | 炒め物や煮込みがしやすい。 |
| ライスクッカー付 | ご飯を炊く専用の鍋がある。 | 失敗せずに美味しいご飯が炊ける。 |
素材は、熱伝導率が良い「アルミニウム」が初心者には扱いやすいです。
焦げ付きにくく、お米も美味しく炊くことができます。
スノーピークの「アルミパーソナルクッカーセット」は、長年愛されている定番品です。
| 素材別の特徴比較 | アルミニウム | チタニウム | ステンレス |
| 熱伝導率 | ◎ | △ | ○ |
| 軽さ | ○ | ◎ | △ |
| 耐久性 | △ | ◎ | ◎ |
| 価格 | ◎ | △ | ○ |
9. ランタン:夜のサイトを彩る光の使い分け術

夜のキャンプ場は、街灯がなく真っ暗になります。
安全を確保するためにも、最低 2 つのランタンを用意しましょう。
- メインランタン: サイト全体を明るく照らす。
- サブ・テーブルランタン: 手元やテント内を照らす。
初心者は「LED ランタン」を中心に選ぶのが安全で確実です。
火を使わないため、テント内でも安心して使用できます。
おすすめは「GOAL ZERO ゴールゼロ Lighthouse Micro Flash」のような、非常に小さくて明るい充電式ランタンが人気です。
| ランタンの配置 | おすすめの光色 | 役割 |
| サイト全体 | 昼白色(明るい白) | 全体の視認性を確保する。 |
| テーブル上 | 電球色(温かいオレンジ) | 料理を美味しく見せ、雰囲気を出す。 |
| テント内 | 電球色 | 就寝前のリラックスタイムに。 |
オイルランタンやガスランタンは、雰囲気が抜群ですが、手入れや火災のリスクがあります。
まずは LED で揃え、キャンプに慣れてから趣味のギアとして追加するのが賢明です。
10. ナイフ:ブッシュクラフトから調理までこなす一本

最後に紹介するのは、キャンプの「道具」としての実用性と「趣味」としての楽しさを兼ね備えたナイフです。
ソロキャンプでは、以下の 2 つのシーンでナイフが活躍します。
- 調理: 野菜を切る、肉を捌く。
- ブッシュクラフト: 薪を細かく割る(バトニング)、フェザースティックを作る。
この両方を 1 本でこなすのは難しいため、管理人は「モーラナイフ」を最初の 1 本におすすめします。
非常に頑丈で価格も手頃、ガシガシ使い倒せるのが魅力です。
より繊細な調理をしたい場合は、折りたたみ式の「オピネル」を追加すると完璧です。
| おすすめナイフ比較 | 刃体の長さ | 重さ | 特徴 |
| モーラナイフ Companion | 約 104 mm | 約 84 g | とにかく頑丈。薪割りができる。 |
| オピネル No.9 | 約 90 mm | 約 57 g | 驚くほど軽い。食材がきれいに切れる。 |
| ビクトリノックス | 多様 | 多様 | ハサミや栓抜きが付いていて便利。 |
ナイフを扱う際は、周囲の安全を確認し、正しい方法で使用しましょう。
道具を使いこなす技術を身につけることも、ソロキャンプの楽しみの一つです。
おわりに:道具を使い込むことで生まれる自分だけのキャンプ

今回ご紹介した 10 点の道具は、どれも管理人が心から信頼しているものです。
しかし、最初から全てを高価なブランド品で揃える必要はありません。
まずは「これだ!」と思ったものから少しずつ集めてみてください。
道具は使えば使うほど、傷がつき、煤で汚れ、あなただけの表情になっていきます。
その道具と共に過ごした時間の分だけ、あなたのキャンプスキルも上達していくはずです。
不便さを楽しみ、自然との対話を深めるソロキャンプ。
お気に入りの道具をバックパックに詰めて、次の週末、森へ出かけてみませんか?
そこには、日常では決して味わえない、静寂と自由に満ちた時間が待っています。
あなたのソロキャンプライフが、素晴らしいものになることを願っています。


